本日は楽天テクノロジーカンファレンスに行ってみた。


今年も楽天は太っ腹な会社だった。講演はソニックガーデンの倉貫さんのお話が大変興味深く、とてもよかった。資料→(http://www.scribd.com/doc/73180791/プログラマを一生の仕事にできるビジネスモデルで目指す未来のビジョン)


いくらか引用する。
・SIビジネスの本質は保険屋である。つまり、ある金額で受注したらたとえ予算超過しても製品を納品しなければならない。こういうビジネスでは、リスクを丸抱えできる企業体力のみが優位性になる。またエンジニアにとって、人月計算が金額の基準になるため、生産性を上げれば上げるほど売り上げが減るというジレンマがある。
・新しいことを社内で始めるとき、上司に許可を求めてはいけない。許可を求めてしまうと、許可した方も責任が発生するので、そう簡単にはOKを出さない。そこで「こういうことを考えているんですけれど、どうでしょうか」と相談をしに行く、という方がよい。相談であれば上司も「じゃあ一緒に考えよう」と言ってくれる。そうしてだんだん味方につけていく。
・一括発注・請負形式の開発はコストパフォーマンスが悪い。リスクを避けるため、担当者、リーダー、マネジャーなどの各層でバッファを持って見積もりをするため、これらが積み重なって過剰バッファになってしまう。また開発と運用が別会社になったり、最大の性能を考慮したハードウェアの準備もコスト増加の原因である。
・これを避けるため「納品をしない」スタイルのビジネスモデルを考えた。まずサービスを月々の定額とする。月額料金の範囲内でできる開発と運用をする。つまり顧問弁護士のようなスタイルに近い。開発から運用まで一手に引き受ける。インフラは全てクラウド上に構築し、お客様にはurlを伝えるだけにする。テスト環境で使ってもらい、OKになった機能を本番環境に乗せていく。
・このスタイルは、webサービスなどエンドユーザと発注者が異なる場合にうまくいきやすい。発注者もエンドユーザの要求は分からないため、運用していくうちに出てくるエンドユーザの要望を適宜取り入れていく必要があるためである。


いやほんと、この講演だけで行った価値があったと思う。私もがんばるさー。