「ボナンザVS勝負脳」読了。


2007年3月21日にボナンザが渡辺竜王と対局した結果を受けて、ボナンザ開発者と渡辺竜王が共著で書いた本。
コンピュータ将棋プログラムが人間に匹敵するようになってきた近年のドキュメンタリーとして非常に興味深い。渡辺竜王の対局記も面白い。


(勝負手であるボナンザの2四歩について)これは少し前に読んで、第一感こちらが残していると思った手。一直線に決着がつく順に踏み込まれたということは、ひょっとして私に読み違いがあって負けるかもしれない。ここに踏み込まれたら行き着く先は詰むか詰まされるかの二つに一つ。
このあたりからボナンザはノータイムの差し手が多くなった。ノータイムで正解を指してくるときは、たいていコンピュータが勝ちを確信しているときである。会場の熱気のせいか、背中にじんわりと汗が流れ落ちるのを感じた。


結局は終盤での大局観の差で、渡辺竜王の読みが正しく、ボナンザの負けとなった。


ぜひこの対局について、一手一手、渡辺竜王とボナンザでどういう判断でその手を指したのか、という解説が見てみたいものだ。



また、2005年10月14日に日本将棋連盟から棋士に対し、コンピュータとの公開対局を禁じる、という通達が出されたことについて、「人間が負けてニュースになる分野は商売になるので、連盟に断りなく勝手に指すな」ということらしい。


ボナンザVS勝負脳―最強将棋ソフトは人間を超えるか (角川oneテーマ21)
ボナンザVS勝負脳―最強将棋ソフトは人間を超えるか (角川oneテーマ21)