「宇宙はジョークでいっぱい」読了。


宇宙開発などという国家的プロジェクトをこんなにユーモラスに進めていたんだなあ。というかそれほどのプロジェクトだからこそ、笑いが要るのかもしれないけれども。たしかアポロを月に飛ばしたときのNASAは20代とかの人も多かったとか。そういうのも影響しているのかもな。
個人的に気に入ったのはこの2つのエピソード。


ソユーズとアポロが軌道上でドッキングしたときの話。ソ連の宇宙飛行士が「さあ乾杯しようぜ」とウォッカのラベルが貼られたチューブを取り出した。宇宙空間での飲酒は厳禁されており、それはソ連も同じはず。しかしここで規則をたてに乾杯を断ったら、世界中の笑いものになる、と思ったアメリカの宇宙飛行士たちは、それを受け取って口に入れてみた。チューブから出てきたのはウォッカではなく、ボルシチだった…。


・月の石がルイジアナ州のあるイベントに貸し出された。しかしハイウェイが渋滞、石の到着はイベント開催に1時間も遅れてしまう。イベントの主催者が慌てていたら、この町に住む岩石コレクターが「家に帰って私の月の石を持ってきましょう」と言ってくれた。それはバレーボールほどの美しい岩塊だったという。
本物の月の石が到着したのでその横に展示したものの、ほとんどの人はそちらの美しい月の石に見とれて、そばにあるゴルフボールくらいの石っころには目をやらなかったという。


宇宙はジョークでいっぱい―宇宙開発ちょっといい話 (角川文庫 (5943))
宇宙はジョークでいっぱい―宇宙開発ちょっといい話 (角川文庫 (5943))