あなたの人生の物語」読了。


テッド・チャンのSF短編集。読むの2度目だった。
バベルの塔を建築し、到達した花崗岩でできた天蓋を掘削して天上を目指す鉱夫の話である「バビロンの塔」は前読んだ記憶があった。残りの作品は、その当時そんなに印象は強くなかったけど、今読み直してみるとかなり面白い。名作ばかりでお得だ。
異星人とコミュニケーションを図りつつ、娘の記憶を書く「あなたの人生の物語」、超人の対決を描く「理解」、天使の顕現が存在する世界でその恩恵や意義を考える「地獄とは神の不在なり」、容姿への美醜感情を人工的に制限することで自由と平等を目指す「顔の美醜について」。
どれもある科学的仮定を置いたときの人間社会を描くという、まさにしっかりしたSFになっている。しかも文章も読みやすい。
新作も期待されるけど、まだ出てない作家さんということだ。


あと本日の返却は6冊。

あなたの人生の物語 (ハヤカワ文庫SF)
あなたの人生の物語 (ハヤカワ文庫SF)