「七回死んだ男」読了。


普段は普通に生活をすごしているが、まれに0時から24時を8回繰り返す、都合9回同じ日を経験する能力、というより疾病のようなものを持つ人物が主人公。たまたまこの繰り返す日に、祖父が殺害されるという事件が発生した。主人公は祖父の命を救うことが出来るのか、というSF風味のあるミステリー作品。


時間ループ物は好きなジャンルなので、とても楽しく読めた。またミステリー作品を犯人は誰なのかとか推測しながら読んだ初めての経験でもある。


以下、ネタバレになる可能性があることので、未読の方は注意。


まず読んでいて私が思ったのは、時間のループを認識して歴史を変えることができる人物は自分だけではない、という可能性だった。しかしそんなことはなく、この思い込みが間違っていたため事件の真相を的中させることはできなかった。
ミステリーは超常現象が無い前提で、読者が推理できるように書かれている。しかし「七回死んだ男」や「折れた竜骨」のように、実世界の物理法則の範囲外を舞台に扱っている作品では、どこまでが「前提」なのか、示すことは大変困難なことなんだろうと思う。注意深く読んでいれば、そういった前提は排除できることが十分推察できるのかもしれないのだけれども。


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七回死んだ男 (講談社文庫)
七回死んだ男 (講談社文庫)