「時間封鎖 上・下」読了。


地球が突然暗黒の膜に包まれて、星が見えない状態になってしまった。太陽は昇るのだが、光と熱を提供するだけの作り物だった。そして膜の外では1億倍の速度で時間が進んでいることが分かった。という作品。


これは傑作。
まあSFでその辺の描写ももちろんしっかりしているんだけど、核となるのは母が家政婦を勤める屋敷の双子の姉弟との交流。こういう設定では、大抵双子(特に男の方)がいじめっ子なんだけど、この作品では違ってイイ奴だった。しかも、この双子の父である屋敷の主も癖があるもののイイ奴なんだ。主人公が心寄せる双子の姉の結婚相手の男もやっぱりイイ奴。
現在と過去の話を交互に描いて、最後に話がつながって見えるというのもよくある手法だけど、どちらの話も面白くて、いい感じに楽しんで読める。
あと終末に向かう人類ね。これも好きなタイプの話だなあ。


時間封鎖〈上〉 (創元SF文庫)
時間封鎖〈上〉 (創元SF文庫)