「越境者的ニッポン」読了。


博打打ちの森巣 博さんのエッセイ。かなりリベラルな考えを持っている感じで、概ね同意する。


死刑制度を継続するのであれば、市民が自らの手で処刑を行うべきである、というのは面白い考えだなあ。確かに復讐のために残すべきである、という人もいるし、この手で犯人を殺してやりたいと話す被害者家族もいる。
だったら死刑相当の犯罪者には、被害者が処刑をする権利を与えるのがいい。犯罪者を縛った上で昏睡させておいて、手斧でも銃でも薬物でも好きなものを使って殺害する。被害者関係者に殺人ができない、あるいはする必要がないと考えているのであれば、無期懲役として服役してもらえばよい。
まあ被害者感情で刑罰を決めるべきではない、という考えもあるかもしれない。


三権分立の定義について。
(a)「立法」はその性格上、多数者の権利を擁護する機関である。
(b)「行政」はその性格上、「立法」によって定められた多数者の権利の擁護を、より公平に実現するための機関である。
(c)「司法」はその性格上、「立法」「行政」によっておこなわれることで生じる事象から、少数者の権利を擁護する機関である。


現在の民主主義が多数決をベースに構築されているので、多数者少数者という概念を明確に三権を定義するのは興味深い考え。


本日の返却は5冊。

越境者的ニッポン (講談社現代新書)
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