「名探偵のコーヒーのいれ方」読了。


ニューヨークのコーヒーハウスのマネージャーが朝、店員の一人が階段から落ちて意識不明の重体になっていることを発見した。警察では事故だと判断したが、マネージャーは事件性を感じて独自に捜査を開始した、という話。


主人公がバリスタだけあって、コーヒーの淹れ方に関する話がたびたび出てくる。あと登場人物の描き方がすばらしい。刑事、ダンススクールの生徒、元夫、実業家などニューヨークに生きる人物が生き生きと描かれている。
やっぱり翻訳も上手いんだろうなあ。同じ作家の他の本を読んでみよう、と思うことは多々あるけれど、同じ翻訳者の他の本を読んでみよう、と思ったことは初めてだ。


あと気になった薀蓄。
・なんらかの形で所有権を与えられると、人はがぜん、時間と労力と金銭を投じて、その所有権を守り、質を高めていこうとするそうだ。


名探偵のコーヒーのいれ方 コクと深みの名推理1 (ランダムハウス講談社文庫)
名探偵のコーヒーのいれ方 コクと深みの名推理1 (ランダムハウス講談社文庫)