残業手当のいらない管理職

「残業手当のいらない管理職」読了。
私も名目上管理職であり、まあこのGWもお仕事なのに特別な報酬はないわけなので、ちょっと気になって読んでみた。


まず行政の回答の一つに「管理監督者の範囲は(略)少なくとも2桁台になることはないと考えている。」とある。
つまり管理監督者の割合は従業員の10%以下が妥当なわけだが、たしかうちの会社では少なくとも1/3くらいは管理監督者扱いなので、ブラックか
な。


2008/9/9に厚生労働省から出された「他店舗展開する小売業、飲食業等の店舗における管理監督者の範囲の適正化について」という通達にて、
管理監督者とみなされない条件が示されている。
それによると以下にあてはまる場合は管理監督者とみなされない可能性が高い。
1.1. 採用権限がない
1.2. 解雇権限がない
1.3. 人事考課が職務内容に含まれない
1.4. 勤務割表の作成や、所定外労働の命令を行う責任と権限がない
2.1. 遅刻・早退により減給等の制裁がある
2.2. 営業時間中は店舗に常駐しなければならない等、労働時間に関する裁量がほとんどない
2.3. 労働時間の規制を受ける部下と同様の勤務態様が労働時間の大半を占める
3. 実際の労働時間を勘案した場合に、手当等の優遇措置が十分ではなく、時間単価賃金が最低賃金を下回る


1.1.および1.2.については、この本の著者は少し疑問視しているところがある。まあ当然のように私には権限がない。
1.3.の権限もなし。
1.4.は私に権限がある、と判断できるかな。
2.1.はうちはフレックスを採用しているので、基本的に制裁はない。
  でも11までに出社しなければならないという縛りはあるので、一応「制裁がある」に含まれるかも。
2.2.は、裁量ないね。まあ客商売なので、お客様の勤務時間に合わせる必要がある。
  でも、お客様の勤務時間に合わせる必要がないような業務内容の人だけが、管理監督者なのかも。
2.3. は、私も大半を占めるね。
2.4. 十分…なのかなあ。残業代とか計算してみないと分からないが、
 一つ下の職階で45時間残業するのと同じくらいの給料だったはず。

あとソフトウェア業界の判例も載っていたので要約して転載。
マイクリックス事件(2007/8/31 大阪地裁判決)
ソフトウェア開発会社(総員5名)の技術開発部技師は、プロジェクトリーダーとして部下を指導することがあっても、
部下の労務管理や人事考課を行う権限はなかったこと、出退勤時間についての規制は緩やかであるのは業務の性質であって、
労働時間に関し自由裁量を有するとはいえないことから、給与が比較的高額であることのみをもって、管理監督者であるとはいえない。


総合的に見ると、私のような立場は管理職とはいえない、という判断が妥当か。
似た制度である「ホワイトカラーエグゼンプション」でも、年収900万円という一つの目安が示されたけれど、
もちろん私はそんなにもらっていない。500万くらいだったような。
あと気になったことは、管理職でも深夜残業代は付くらしい?


少し離れるけれど、上で挙げた通達はおそらくマクドナルドの判決を受けてすぐに出したんだろうな。
役所もちゃんと仕事してるなあ、と好印象を持った。