とりあえず放置気味だった「火の姫」の感想だけでも。

・(於祢が秀吉を支え、夫が出世するに従い自分も広い視野を持つことを懸命に学んで身に付けたことから)女としての絶ち難い業を、自分は超えたと自負していた。
・家康から見れば利家は単純な男だ。己に表裏のない男だから他人の心の襞も裏も読み取れない。あれほどの力も人望も持つ大名でありながら、しょせんは八十万石の一大名で終わるのはそのためだ。


私も裏表ないように生きたいと思っている。まあそれはそれでいいはず。
最終巻まで登場人物がどれも生き生きと描かれたすばらしい作品でございました。(家康だけは敵役的な感じが大きかったが)


【文庫】 火の姫 茶々と秀吉 (文芸社文庫 あ 1-2)
【文庫】 火の姫 茶々と秀吉 (文芸社文庫 あ 1-2)


【文庫】 火の姫 茶々と家康 (文芸社文庫 あ 1-3)
【文庫】 火の姫 茶々と家康 (文芸社文庫 あ 1-3)

「火の姫」読了。

信長の姪、秀吉の愛妾として悪女と呼ばれている茶々姫の三部作。
タイトルは信長は激怒すると目が赤く染まったという。その気性を引き継いだ茶々もまたそうであった、という設定?より。
実話か創作か分からないけど、それら有名なエピソードを拾いつつ、全ての登場人物が魅力的に描かれた良い作品だった。
蘭丸の「某の父も兄も戦場に散りました。だけどこうして生きています。死は望まなくてもやってきます。それまで、精一杯生きることが死者への手向けです」という言葉がよかった。
柴田勝家と於市が政略結婚をするときの心遣いとかも素敵すぎる。

【文庫】 火の姫 茶々と信長 (文芸社文庫)
【文庫】 火の姫 茶々と信長 (文芸社文庫)